色遺伝のしくみ
チャオの色の中には、繁殖を用いないと生まれないものがあります。どうしてそのようなことが起きるのか?
その原理を紐解いていきましょう。
遺伝子の種類
チャオの色は、4つの遺伝子の組み合わせによって成り立っています。
- 色遺伝子
- 地肌の色をさす遺伝子です。「赤」や「青」「無色」といった情報を持ちます。
「無色」はピュアチャオの地肌の色です。 - 模様遺伝子
- 模様のあり/なしを決める遺伝子です。
- つや遺伝子
- つやのあり/なしを決める遺伝子です。
- ジュエル遺伝子
- ジュエル特有の光沢のあり/なし。
もしあるならそれは何色かという情報を持っています。
これまで紹介したチャオの色は、以下のような遺伝子の組み合わせに該当します。
色 | 模様 | つや | ジュエル | |
---|---|---|---|---|
色チャオ | 無色以外 | なし | なし | なし |
ピュアチャオ | 無色 | あり | なし | なし |
つやチャオ | 無色以外 | なし | あり | なし |
ジュエルチャオ | * | * | なし | あり |
ハーフチャオ | 無色以外 | あり | なし | なし |
ツヤピュア | 無色 | あり | あり | なし |
完全白ピュア | 無色 | なし | なし | なし |
2つだけ、例外的な規則があります。
1つは、チャオがジュエル遺伝子が「あり」の場合、色遺伝子と模様遺伝子は無視されるということ(ジュエルが優先されます)。
もう1つは、つやとジュエルが両方とも「あり」の場合、「透明系」「変色系」と呼ばれる特殊な色のチャオになるということです。
遺伝子のペア
1匹のチャオは、上記に示した遺伝子を全て2つずつ持っています。
目に見える色として発現する遺伝子の他に、繁殖するときだけ作用するもう一つの遺伝子があるのです。
繁殖の際、父母それぞれから1つずつの遺伝子が選ばれ、それが子の遺伝子になります。
この時、選ばれ方は完全にランダムです。
例えば赤・青の色遺伝子を持つ親と、黄・緑の色遺伝子を持つ親が繁殖したとき、子に赤の遺伝子が伝わる確率は50%となります。
けれども、それが発現する確率は25%です。
発現のムラ
遺伝は完全にランダムですが、優性になるかどうかは必ずしもランダムではありません。
例えば、初代つや赤チャオと初代ピュアチャオを繁殖させる場合、生まれてくるのはつや赤、もしくはつや赤ハーフだけ。
遺伝子だけ見れば他の組み合わせも考えられるのに、どうしてこうなるのか?
説明のため、それぞれの遺伝子を別個に見ていきましょう。
まず、色遺伝子。
ピュアチャオから無色の遺伝子と、つや赤ハーフから赤の遺伝子が遺伝します。
でも、発現するのは赤の遺伝子のほうだけです。というのも、無色の遺伝子は他の色遺伝子より発現しにくいからです。「無色」と「無色」という組み合わせの場合でない限り発現しません。
したがって色遺伝子は必ず「赤」が発現します。
次に、模様遺伝子。
模様遺伝子でどちらが発現するかはランダムに決まります。
したがって模様遺伝子は優性と劣性の両方があり得ます。
つや遺伝子は色遺伝子と同じで、必ず「ある」方が優先して発現します。
ジュエル遺伝子は、必ず「ある」方が優先して発現するのですが、この例では「ない」「ない」のペアであるため、発現しません。
よって、生まれてくるのはつや赤、つや赤ハーフの2種類に限られるのです。
練習問題 —完全白ピュアが生まれる確率を計算しよう!—
ではここまでを総括して、次の問題を解いてみてください。
問題
あるところに、初代ピュアチャオと初代赤チャオがいました。
2匹は繁殖して、赤ハーフチャオが生まれました。
この赤ハーフはその後大きくなって、別の初代ピュアチャオと繁殖しました。
このとき、完全白ピュア(色:無色、模様:なし)が生まれてくる確率を求めなさい。
解答
赤ハーフと初代ピュアチャオ、それぞれの持つ遺伝子を考えてみましょう。
赤ハーフは、色遺伝子赤、模様あり。でもそれだけではなくて、ピュアチャオとの繁殖で生まれてきたわけですから、色遺伝子無色と模様無しの遺伝子も隠し持っています。
表にまとめると、こうなります。
赤ハーフ | ピュア | ||
模様 | あり | なし | あり |
色 | 赤 | 無色 | 無色 |
知りたいのは完全白ピュア、つまり無色かつ模様なしが生まれる確率です。
模様なしが遺伝する確率は、1/2ですが、発現する確率はその1/2、つまり1/4です。
無色は劣性になりやすいので、両親共に遺伝しないと発現しません。したがって確率は1/2です。
1/2 × 1/4 = 1/8
答えは合っていましたか?